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【カバーも最高】Ken Yokoyama:Songs Of The Living Dead②

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前回書ききれなかったのでつづきになります。

4曲目は「My Day」、2006年にPizza Of Death(レコード会社)からはじめてリリースされたオムニバスアルバム「The Very Best Of PIZZA OF DEATH」に収録されていた曲です。

曲の内容はタイトルの通り、ある1日の様子を曲にしているんですが、「天気の悪い日に、ころんで泥だらけ、クラブに踊りにいったらズボンが破けて、酔っ払った女にゲロを吐かれ、バイクで帰ろうとしたらパンクして、家に着いたら鍵がない」みたいな最悪な1日。

そして、このメッセージです。

「When everything’s going wrong. And anyone else would break down crying. I keep on pushing on’. Nothin’ that I say or do gonna change… My day ‘cause I know I’ll make it out. Okay. Nothing to freak out about.」

「なにもかが 上手く行かない時 他の人だったら 泣き出してしまうような時 オレは前に進み続けるんだ 何も言わずに 変えようとするさ オレの一日を だって知ってるからさ オッケーにできるって 慌てることは なんにもないのさ」

5曲目の「Nervous」はGUNS N’WANKWERSのカバーで、6曲目の「Don’t Want To Know If You Are Lonely」はHUSKER DUのカバーです。Ken YokoyamaやHi-STANDARDではカバー曲をリリースすることも多く、原曲と曲調が変わったアレンジソングが聞けるのはファンにとって楽しいし嬉しいことです。

そして実は8曲目の曲も有名な曲のカバーです。「If The Kids Are United」は永遠のパンクアンセムのカバーと彼らは表現しています。個人的に曲はあんまり好きじゃないんだけど、原曲のSham69の歴史とかストーリーは好きです。曲はいわゆる初期パンクっぽい比較的ゆったりした曲調。パンクが生まれた70-80年代は今とは曲調はけっこう違います。でもパンクの持つ思想や反体制みたいな考えは色濃く出ているストーリーが多々ありますね。当時のSham69は人気がものすごかったのですが、ライブ会場がパンクス(観客)たちの喧嘩の場になっていました。ライブをすると毎回のように喧嘩が絶えなくなっていたんですね。そこでこの曲が歌われたんです。「If The Kids Are United」、つまり「もしもキッズ(観客)たちが1つになったら」という曲を。

まだ「Songs Of The Living Dead」の半分もレビューできていないですね。

レアトラックを集めたみたいなアルバムだから、正直どの曲も好きだし書きたいことがある。その分全然まとまらないですが。

本当に大好きなアルバムなんだけど、ポイントとしてはKen Yokoyamaっていうバンドがスタートして15年が経つ節目に、昔の曲から新曲やカバーまで全部まとめてリリースしてるんですよ。2004年のデビューからずっと好きだったバンドが、そんなアルバムだしたらそれはそれは語りたいことは多くなります。

ということで書ける限り書いていきます。

9曲目の「You’re Not Welcome Anymone」、これもピザオブデスのオムニバスアルバムに収録された曲ですね。僕が英詩の曲や洋楽が好きな理由として、英語の音としての響きが気持ちよいのもあるんだけど、その英語の意味を調べて知るっていうのがとても好きです。英語だとね、表現がマイルドになったり、より一層かっこよくみえることがあるんですよ。例えば「君の瞳に恋してる、愛してるよベイべー」なんて日本語で歌ったらストレートすぎるし、あまりにも陳腐でしょう。「Can’t take my eyes off of you. I love you baby」だと全然ニュアンスが(個人的には)変わります。

話はそれましたが、「You’re Not Welcome Anymore」は「これ以上お前はお断りだ」みたいな意味ですね。「WELCOME=ようこそ」なので、それの逆となります。

10曲目の「Walk」はHUSKING BEEのカバー曲です。2007年のHUSKING BEEトリビュートアルバムにも収録されている曲です。ちなみにこの原曲は1996年のHUSKING BEEのアルバム「GRIP」に収録されていた曲で、このアルバムは実はKen Yokoyamaがプロデュースしたアルバムなんですね。そして今回のアルバムに収録されたKen Yokoyamaバージョンは少し歌詞が違うのですが、ライブでもよく歌われていて、 Ken Yokoyama自身も気にいっている曲なのでしょう。

HUSKING BEEは2005年に解散していて、Ken Yokoyamaはライブでこの曲を歌うときにいつも「バンドはなくなっても曲は残るから」と言って歌っていました。そして2012年、Ken Yokoyamaが所属するもうひとつのバンドHi-STANDARDが主催するライブフェス「Air Jam2012」で正式にHUSKING BEE再結成が発表されるんですね。なんとも感慨深いです。

これでやっと半分の10曲目でした。後半はまた機会があれば書きたいと思います。ハイスタが好きな人は是非聞いてみてほしいです、Ken Yokoyamaが好きな人は間違いなく聞いた方が良いですね。

最後に20曲目の「Soulmate」だけ書きます。僕がブログで何を書こうかなって考えてまっさきに思い浮かんだのがCDのレビューでした。何でかって言うと、単純に好きだからっていうのもあるし、もっとCDとかバンドとか他の付随情報がたくさん入れば、曲を聞くだけよりもっと面白いことがあるんだよっていうのを伝えたかった。

音楽業界はもう飽和状態で、CDのミリオンセラーなんて一部のアイドルグループが独占するような状態かもしれないけど。ましてやCDで音楽を買う時代じゃないし、超速でダウンロードできるのになんでわざわざCD買うのよ?って思うじゃん。

でも実は違う楽しみとか感動があるんだと思ってます、好きなバンドのCDの歌詞カードを読み込んで、いろんな歴史と経緯を調べてはじめて気づくこともあるし、それがきっかけでもっとそのバンドが好きになることもある。

何かがきっかけで知ったバンドのCDをたまたまCD屋で見つけて、「おっ、試しに買ってみるか」で買って楽しみにしながら家に帰るワクワクとか、それで聞いてみて「超かっけー!」っていう感動もあるし。

っていう個人的に思う話はまた書きたいんだけど。この「Soulmate」は「曲はのこるから」っていうもう1つの曲なんです。まずはYou Tubeのこの映像をみてほしい。

Ken Yokoyama/ Soulmate

原曲は「No Use For A Name」っていうバンドの曲なんだけど、ボーカルのTony Slyが2012年7月31日に亡くなった。上記の映像でもKen Yokoyamaが話しているけど「曲は残るから」という思いでプレイされている。

音楽のいいところは作品が残るところだね。時代は変わるし、音楽が売られる媒体も変わるし、プロモーションの仕方も変わるし、アーティストやバンドが無くなれば活動は見れなくなるけど。かつて作られた作品だけは残りつづける。

Tony Slyは人物的にもとても愛されていた。また彼のバンド「No Use For A Name」についても書きたいけど、海外でも彼の死を惜しんでたくさんのバンドがカバーをしているね。NOFXはTonyのための曲もつくっている。

すてきな曲をただ聞くっていうのもいいんだけど、そのバンドの歴史とか背景とか、絡んでいるバンドや思想とか、いろんなことが知れるともっと楽しくなるし、そのきっかけをつくるパッケージとしてCDはずっと残りつづけてほしいです。

またいろいろ書いていきます!