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【ラブソングではない】SiM:SEEDS OF HOPE

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「SEEDS OF HOPE」は2011年にリリースされたSiMの3枚目のアルバムです。SiMは2004年に神奈川県の湘南で結成された日本のパンクロックバンド。

パンクバンドと書きましたが、すごい色んな音楽性を取り入れてるミクスチャーバンドですね。レゲエ色は強いような曲もあります。パンクとかハードコアとかレゲエとかの色が強いのかな。今のロックフェスでめちゃくちゃ人気があるバンドの一つだと思います。

1曲目は「KiLLiNG ME」という曲です。SiMの代表曲になっています。ライブでもめちゃくちゃ盛り上がる曲です。

僕はこの曲でSiMを好きになりました

曲のはじまりはスピーディーに音を刻むようなサウンドです。途中で一回スローダウンしますが、基本的にはスピーディーなギターのリフで刻みまくっているのが特徴的な曲ですね。めちゃくちゃかっこいいです。

サビはこんな感じです。

「when I’m down, your kissing makes me feel alive when I’m down, your smile makes me feel alive oh baby, stay with me feel like I’m sinking down into the ground you’re killing me」

「最悪な時は 君のキスが 最悪な時は 君の香りが生命を実感させてくれる ずっと一緒にいれくるかい 嗚呼、まるで地面に沈んでいくようだ 最高だね」

SiMっていうバンドは表現がこっぱずかしいようなことを曲でもライブでも表現しているように思っている。この和訳とか「君の香りが生命を実感させてくれる」ですよ。

そして曲のタイトルにもなっていて、ライブ中もファンから大歓声で歌われる「you’re killing me」という一節。ここの和訳は「最高だね」です。

CDで音楽を買うことの良さのひとつに、歌詞カードもひとつの作品として同封されている点だと思ってる。タイトルが「KiLLiNG ME」という曲で、こんなゴリゴリのパンクサウンドの曲で、唯一聞きとりやすいサビの「killing me」だけ聞いたら、「あぁ、めちゃくちゃかっこいい、とんでもなくおぞましい曲なんだなぁ」と思うかもしれない。

サビの歌詞をみてどんな風にかんじますか?

率直な感想を頭に思い浮かべてみてほしいです。ラブソングのようにも感じないでしょうか。

そして歌詞カードのこの曲の欄には一言このように添えられています。

「この曲がただのラブソングでない事に気付いた全ての仲間たちに栄光を。わかるやつにだけわかればいい。」

「ただのラブソングではないと気付いた全ての仲間たちに」とあるので、つまりはただのラブソングではないんですね。ではサビ以外のスローダウンする部分を含めた一節を見てみますと、

「plug me in, I’m tired of dreaming light up “something”, it makes me fine it’s already 4:19 p.m I’m ready to set fire to you I want to know more about you feeling of smothering makes me feel so alive」

「俺に電源を入れてくれ 夢は見飽きたんだ ”何か”に火を点せ それで十分だ ほら、もう4時19分だ いつだって君を”興奮”させる準備はできている 君の事をもっと知りたいんだ 息苦しさこそが生命を実感させてくれるのさ」

こんな歌詞になっている。

スローダウンするところで「もう4時19分だ」とある。実はこれがキーフレーズで、4:20はスラングで「大麻」をさしている。以下はウィキのリンクです。

つまり「大麻の時間が迫っているよ」という裏の意味を表現しています。その後の英詩ですが「I’m ready to set fire to you」は直訳すれば「お前に火を点ける準備はできてるよ」ですね。和訳では「いつだって君を”興奮”させる準備はできている」とロマンチックに表現していますが、意図的にラブソングにみせているのでしょう。

これが分かればサビの「まるで地面に沈んでいくようだ」という表現もラリっていることの表現だと合点がいきます。そして「you’re killing me」という表現、これは「①ドラッグが体を蝕み苦しめている」のと、「②ドラッグがメロメロに悩殺してくる」というダブルミーニングだと思っています。それを曲中の表現では「最高だね」としているんですね。

ちなみにこの曲の和訳は一部誤字っていて、「ずっと一緒にいれくるかい」と歌詞カードに記載されています。ここも「ラリってミスってる」という表現にするために、「敢えて」誤字らせたままリリースしたのかもしれません。

3曲目の「I HATE U(It’s Not A Play On Words)」は曲の入りがレゲエっぽいダブサウンドですね。僕も全く詳しくないですが、エコーを入れたりリズムを強調したりすることが「ダブ」だと思っています。昔から音楽は好きだけど、この手の専門用語とか表現は感覚で理解した方が良いと思う。専門家じゃないし、説明で使われる表現も専門用語だからよく分かんないんですよ、なんか「裏拍が強調されてるな」とか、「エコーがかかってるな」という程度で理解しておけばいいんじゃない。

SiMは「レゲエパンク」なんて表現をされることも多いので、興味がある人は聞いてみるといいかもしれません。

そして歌詞に少しだけふれておきたいのですが、パンクロックの歌詞は汚い表現も多いです。パンクが生まれたもとを辿れば、政治・体制への反骨心を曲や思想にこめた経緯がありますが、今は別に政治だけにとどまらず「とにかく納得いかないことには反対していくよ」っていうのが基本的なパンクのメッセージだと思っています。

パンクの歌詞でよく使われる英語表現は、「fuck you, fucking, I don’t give a fuck(shit)」などなど、この3つは曲中に含まれています。

fuck youとかfuckingはよく見ると思うので、「I don’t give a fuck(shit)」についてだけふれると、「俺は興味ないよ、関係ないよ、知ったことか」的な表現になります。曲中では、

「I don’t give a shit about your fucking friends so I won’t pay you even ten fucking yens」

「あんたの友達なんて知ったことか 10円だって払う気はないね」

このような表現になっています。fukingは何かを強調したい時や、悪い意味で「クソ」みたいな形容詞のように使われます。それにしてもfuckとかfuckingなどの汚い表現が多いですが、これはパンクバンドの歌詞としては、しょうがfuckin’ないことだと思っておきましょう。

曲の紹介はあえて今回はこれだけにしておきます。ちなみに僕がこのバンドを知ったのは「京都大作戦2013」のライブに参戦した時でした。実際にはじめて京都大作戦に参戦した時にこのバンドを見て「かっこいい」となりました。

2013年だったのですが、この時はめちゃくちゃ暑かった、気温的にも暑かったし、MCの熱も熱かった。最初ははじめて見るバンドだったので後ろで見ながら「MCがうるせぇなぁ」くらいに思ってたのですが、その時も代表曲の「KiLLiNG ME」の演奏がはじまって、「めちゃくちゃかっこいいじゃん!」となりました。

ちなみに最初そんなに興味をもっていなかった理由があるのですが。

フェスに参戦する時って、僕は聞いたことの無いバンドはとりあえずYou Tubeで聞いてみるんですよ、これは皆さんやると思うんですけど、予習みたいな感覚で。ステージが複数あるとどうしても時間がかぶるから優先順位をつけなきゃいけないし。その時のことを今でも覚えているんだけど、僕がSiMを検索したらトップに出てきたのが「Same Sky」という曲だった。この曲はMVがあるし再生回数も多かったからとりあえず聞いてみた。

かっこいい曲で今は好きです。

全くSiMを知らない時にこのMVを見たんですね。いや、今となればかっこいいし大好きな曲なんだけど、当時の感想は「あっ、日本語でめっちゃしっとりした曲を歌うバンドなのね」と思ったんですね。フェスでこんな感じの曲をひたすら聞いても、どんな風に楽しんだらいいか分からないなって思ってあまり興味をもってなかった。

そしたらライブだと激しいパンクソングしかやらないから「なんだよこのバンド、そんで俺の見たMVはなんだったんだよ」と思いました。たまたましっとりした曲を見たんですね。

でも SiMは結構こういうしっとりした曲とか、ゆったりとしたレゲエ調の曲も出している。もうひとつ好きな歌でいうと「Rosso & Dry」です。「あんまり激しい曲は普段聞きません」みたいな人にもイイねって言ってもらえそう。

これもかっこいいです。

とにかく音楽なんていくらでも好き嫌いがあっていいし、変なルールとかはくそくらえと思うけど、何かきっかけがあって好きな曲に出会ったり、同じバンドを好きな人に出会ったりできるといいな、と思っています。

余談なんですが、SiMのライブにいくと若い大学生とかに肩車(リフトって言うのかな)を頼まれるんだけど、あれは何なんだろうね。「いや誰だよてめー、やりたいなら勝手にやってろよ」って感じるんですが、僕だけなのかな。ライブハウス後方に「意図的」にサークルが作られるのも嫌いなんですよね。パンクって無秩序で、ルールに縛られずに主張していこうっていうものだと思うんですが、どこか秩序とルールをつくって巻き込もうとしてるのが嫌ですね。

これは余談の余談です、大変失礼しました。また感じることは別の記事でも書いていきたいと思います。それでは、またよろしくお願いします。