2023年5月にKen Yokoyamaのニューシングル「Better Left Unsaid」が受注生産限定でリリースされた。
「Better Left Unsaid」に収録されてる曲は全2曲。音楽サブスクサービスでの配信も開始している。シングルの表題曲である「Better Left Unsaid」は、日本語にすると「言わないままの方がいい」というタイトルだ。
「もの言うパンクス」と呼ばれることもあるKen Yokoyamaが、「言わない方がいいこともあるんだ」と歌っているのは新しいメッセージ性を感じる。
来年2024年にキャリア20年を迎えるKen Bandの初期の作品である2ndアルバムには「Say What I Want」なんて曲も収録されていたのを思い出した。
2ndアルバムをリリースした2005年には「俺は言いたいことを言う」と歌ってたKen Yokoyama、約20年のキャリアの中で変化してきたものや、この曲にこめたメッセージに興味が一層わいてくる。
MVは曲のタイトルのメッセージは社会に向けられているかのように感じられる内容だ。
MV内で街を歩いているKen Yokoyamaの周りには、ゴシップメディアからの取材、街中での荒くれ者の喧嘩など、数々の事件が起こるが、それを無視して何事もなかったかのように彼は歩いていく。
インターネット・SNSの発達で情報発信が簡単にできるようになった世の中では、良くも悪くも情報発信量も多いし、そこから生まれるトラブルや争いごとも増える。
そんな社会に対して、なんでもかんでも言いたいことを言えばいいってわけじゃないよね、とメッセージを投げかけているようにも思える。
【和訳】言わない方がいいことだってあるんだ
この曲ではカップルのストーリーを描いていて、女性に言葉を濁す男性目線での想いを歌詞にしている。
Something are better left unsaid
Swallow my words, hands in my pocket
Ah…if tomorrow was the end
Am I gonna regret?言わない方がいいことだってあるんだ
Better Left Unsaid / Ken Yokoyama
ポケットに手を入れ言葉を飲み込む
ああ…もし明日が世界の終わりだったら
オレは後悔するのかな
You’re living for today
But still tomorrow we will be
When there’s a chance we’ll die next week
It makes no senseお前は今日も生きる
Better Left Unsaid / Ken Yokoyama
でもオレとお前は明日も生きるのさ
来週には死んでるのかもしれないのにな
おかしな話だ
Ken Yokoyamaの最近のライブや曲では、「死を意識することが増えてきて、言えるうちにありがとうを言っておきたい」というようなメッセージが増えている。
伝えておかなければいけないこともたくさんあるが、本当に人や社会を大切にして生きていきたいなら、何でもかんでも言いたいことを言っていいってことじゃないよというメッセージにも感じる。
「Better Left Unsaid」という曲は、メッセージはわかりやすいが、聞いた人によって解釈が広くできる面白い曲だ。