Ken Yokoyama:Songs Of The Living Dead
Ken Yokoyamaの「Songs Of The Living Dead」は同バンドが2018年10月にリリースしたアルバム。
ちなみにKen Yokoyamaは前回の記事で紹介したHi-STANDARDというバンドのギター&コーラスのメンバー。2000年の「Air Jam2000」というフェスを境に活動休止したHi-STANDARDのギターKen Yokoyamaが単独名義で活動をはじめた。
2004年に「The Cost Of My Freedom」としてソロ活動を開始する。ソロ名義では、ハイスタ(Hi-STANDARD)のメンバーは一切絡んでない。
伝説のバンドとも言われるHi-STANDARDのギターであり、ソロ活動をはじめたKen Yokoyama、デビュー当時は襟足だけが金髪の髪色がトレードマークでした。ギター・ベースが外国人バンドというなかなか異色のメンバー構成でした。
そんなKen Yokoyamaがリリースした「セルフコンピレーションアルバム」が「Songs Of The Living Dead」。セルフコンピレーションアルバムってなんだよって話ですが、コンピレーションアルバムは直訳なら「編集アルバム」、既に発表されている曲を編集して作るアルバムのことをいう。いわゆるオムニバスとかベストアルバムのこと。アルバムリリースのページがあります。
Ken Yokoyama セルフコンピレーションアルバム [Songs Of The Living Dead] https://www.pizzaofdeath.com/ken6.5th/
そして、そんなコンピレーションアルバム(リリース済みの曲も含めた編集版アルバム)のタイトルが「 Songs Of The Living Dead」
LIving Deadは生きる屍みたいな意味ですね、ゾンビです。極端に言えば、これまでリリース済みだったり、「なんかの機会につくったけどもう覚えてねーな」みたいな曲を「死んでねーよ」と集めたアルバムです。
日本ではなかなか珍しいですよね、ベストアルバムはよく見るけど。このアルバムは「あーあの昔に「My Space(SNS)」にあがってて音源化されてなかったやつね」とか「えっ武道館ライブのためだけにつくった曲じゃん」みたいな曲が入ってる、レアトラック集みたいなかんじですね。一定の活動期間を設けたバンドが「これまでの活動で瞬間的に超かっこよかった曲を集めてつくろう」みたいなアルバムなんじゃないでしょうか。
だからファンからすると、かっこいいアルバムだし聞いてて楽しいんですよね。では曲の内容を見ていきます。
1曲目は新曲の「I Fell For You, Fuck You」です。いやさんざんこれまでの曲を集めた編集版アルバムって言ってきたのに新曲?というかんじですが、これも彼らからすれば「うん、知らねーよ」なんでしょう。ちなみに20曲構成のうちの数曲は新曲になっています。
このCDには歌詞カード以外に各楽曲の解説も同封されています。そこの抜粋ですが、
「このアルバムは約15年の間に録った、オムニバスアルバムに参加した楽曲たち、ウェブやDVDのみで発表した楽曲たち、録ったはいいが未発表の楽曲たちの中から厳選した。
とあります。6枚目のアルバム「Sentimental Trash」に続く6.5枚目のアルバムと表現しています。
2曲目の「My Shoes」は個人的に大好きな曲で、2010年に発売された「VANS」オムニバスアルバムに収録されている曲の再録になっている。
Ken Yokoyamaのライブ時の服装はTシャツにディッキーズの短パン、そして「 VANS」のシューズが彼の代名詞になっている。そんな彼が「VANS」オムニバスアルバムで「My Shoes」なんてタイトルの曲をつくったんだからかっこいいにちがいない。曲のはじまりはこんなかんじ、
「A phone call from VANS, said they need a song. A Skate-Rocking’ number about a minute long. I tried this and that and made up my mind. Just rip off The Offspring, I don’t wanna waste my time.」
「ある日VANSから電話があって 曲を書いてくれって頼まれた 1分の最高のスケートロックを 書いてくれって いろいろ考えたけど 結局 時間を無駄にしたくないからThe Offspringをパクることにした」
個人的には大好きな歌詞です、「頼まれたけど、めんどくせーからオフスプリングの曲をパクって1分の曲を作ったぜ」というわけ(ジョーク)です。ちなみに実際にこの曲自体の解説にも「曲ができる経緯がそのまま歌詞になっている」と書いてあります。
「Do you wanna know why I’m wearing VANS? “I get them for free” don’t really give a damn. And if they forget to send me the new shit. I’ll pick up my phone and call CONVERSE and make a shift. Woo, this song’s about my shoes. Woo, this song’s about my shoes. Woo, oh by the way this song is a joke. Really, I love you VANS」
「なぜオレがVANSを履いているか 知りたいか? 「タダでくれるからさ!」あんまり 気にしてないんだよ でももし 新作をオレに送り忘れたら オレはさっさと コンバースに電話して移籍するぞ ウォー、これがオレの靴の曲 ウォー、これがオレの靴の曲 ウォー、ところで これはジョークソングだよ 愛しているよVANS」
もちろんジョークソングです。
次の3曲目は「What Kind Of Love」というカバーソング、「SNUFF」という海外バンドのカバーですね。Ken Yokoyamaが大好きなバンドのひとつであり一緒にライブもしています。僕自身も90sパンクのなかで好きなバンドです。ちなみにKen Yokoyamaが経営するレーベル「PIZZA OF DEATH RECORDS」からCDをリリースしたこともある。
このSNUFFみたいに「この人が好きなバンドなら聞いてみよう」から広がる発見が素敵だと思っています。中古CD屋に探しにいって「SNUFFの原曲も超かっこいい!」みたいな。
このアルバムは大好きなアルバムだから全然書き足りない。次回も続きを書きたいと思います。